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TWのプレイ記と二次創作が転がってます。
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3との間が開き過ぎな上に、沈めすぎです。

釣りの場所だけじゃなくてルシアン―ボリス間まで寒々しい。

真っ暗けでも読んでくださる方は↓へお願いいたします。



沈めた旋律 4


手を引っ張って歩く。
身ぶり手ぶりを交えながら話すと、
笑いながらうなずかれたり、時には苦笑いが返される。
自分の名前を、彼が呼ぶ。

それが当たり前だった。

 


「ここがボリスの部屋だよ。それから、こっち――隣が僕。」

そう言いながらボリスの部屋の扉をルシアンが開けようと手を伸ばすと、
ボリスの手がそれを遮るように先にノブを握って押し開けた。

中へとひとり入っていくボリスのうしろ姿を戸口に背を預けて眺めながら
ルシアンは先ほどまでのことを思い返す。
ここに連れて来ようとはじめに手を繋いだ時は、
ためらいながらも普通にボリスは自分について歩いてきていた。
繋いでから、離すまでのあの短い間にボリスに何があったのだろうか。

(離した瞬間を僕、見られなかったからなぁ……。)

もっとも、見ていたからといって治癒法がわかるのかというと
否だろうけれど。
ボリスと同じようにルシアンも部屋の中を見回すが、
私物なんてあまり見当たらない、殺風景な普通の客室だった。
ボリスは必要最低限のものしか持たない。
ルシアンの屋敷に居たときも。
ここで暮らし始めてからも。
珍しい物が目に入ると欲しくなるルシアンとは大違いだった。

(ボリスに欲しいものを聞いたら、消耗品しか挙げてもらえなくて
 困ったっけ。)

部屋の中を調べているボリスにわからないように、
ルシアンは思い出し笑いをした。

改めて考えると、自分とボリスを繋いでいたものは
ほとんどが積み重なった時間で生じたものだけだった。
血のつながりは無い。傍から居なくなったところで明日からボリスが
生きていくためにルシアンは絶対不可欠な存在でもない。
記憶から『ルシアン』という存在が完全に抹消されてしまえば、
それがかつて確かにあったつながりということすら知らず
ボリスはどこかへと行ってしまうだろう。

手を離したあと、ボリスがルシアンを見た目は―――


「……まだ、何か用があるのか?」


思考の淵に沈んでいたのを、ボリスの声で引き戻された。
近くに立っているのに、まるでもうそこにルシアンは半分以上居ないような。
そんな気のない声。
それを無視して、いつもと同じようにルシアンはボリスに呼びかけることにした。

「ボリス、お腹減ってない?」

まだ、ボリスはここにいる。
声をかければ聞こえるし、手を伸ばせば届く距離。

「お昼からいろいろ忙しかったし、もうすぐ晩ごはんどきだしさ、
 何か食べに行こうよ。すぐ下で食べられるから。」

指で階下を示すと、ボリスが無言でルシアンの方に歩いてきた。
ほっと肩を下ろして部屋の外へルシアンが一歩さがるが、
ボリスがそれにならって外に出ることはなかった。

「俺を気にかける必要は無いし、関わってくれなくていい。」
「そん……。」

さらに言い募ろうとするルシアンの鼻先で、扉は静かに閉ざされた。


まるでガラスの箱の中にボリスはいるようだ。
ルシアンは触れない。
ボリスはこちらに来ない。


「はじめて会ったときに戻るよりも、きついなぁ……。」

親しくなかったけれど、あの時はボリスはルシアンをちゃんと見ていた。
今は目に入っているのに、見ていない。


「――そんなの、できないよ。」


答えの呟きも彼に届かない。




――――――――――――


大急ぎでこちらも浮上させたいところ。

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ルシは気ままに放浪の旅。
ボリスはCP10まで完了。

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