ルシとボリス、共にライディアのチェドロさんちでログインするのが
お決まりになりつつあったのですが(一番落とされにくかったので)
今回のアップデートで接続異常の問題が改善されたそうですね^^
これで『何べん落とす気だ馬鹿ぁぁ;;』と嘆くことが無くなった訳だ。
……でもまだ怖いのでチェドロさんちでログアウト。
それと、消えたプラチナウィング事件のお知らせの中に書いてありましたが
次回のバージョンアップは7月だとか。
来るのはCP3か、それとも理想家殿か。
ボリスの誕生月にランジエさん実装?
ここから下は沈めた旋律の7を埋めてます。
少々長いです。でも切らずに、ぽいっと。
沈めた旋律 7
つまらないものを見た。
今回の事は俺にとっては正直どうでもいいことだ。
それは断言できる。
ただ、それによる副産物が俺の意思を無視して巻き込んでいく。
……頼むから他をあたって欲しい。
言ったところで聞いちゃいないんだろうが。
「マキシミンは行かないの?」
シベリンが入っていった入り口を一度指差し、ルシアンは宿屋の前の段差を
ぴょんと飛び降りてマキシミンの傍に寄る。
「お前らが泊まっている宿の部屋はそんなに広いのか。」
「ん?別に他のところと一緒だと思うよ。」
「そんな所に何が悲しくて野郎が四人も詰めなければならないんだ?」
狭いしむさくるしい、と眉間にしわを寄せて唸るマキシミンに、
四人じゃなくて三人だよ、とルシアンが訂正をいれた。
おそらくルシアン自身を含めていない頭数計算に、
やはり戻りたくない理由があるなとマキシミンは宿を眺めた。
「お前こそあいつを置いて出かけていいのか。」
「……うん。構わないで欲しいって言われたしね。」
マキシミンの質問に、少し間をおいて返答があった。
よく知らない僕と一緒にいるとボリスも気を使うんじゃない?と
おどけながら言い訳めいた言葉をルシアンは続ける。
「よく知らない、ねぇ。
あいつはお前とどれくらいいるんだ?」
「え、ボリス?えーっと、最初にボリスを見たのは15歳の時で……
一緒に居るようになったのはそれからもう少しあとだけど。」
「……ということは、奴の人生の十分の一にも満たない時間しか存在しない
お前の事を、ちょっとあいつがド忘れしたからって拗ねてるのかお前は。」
「別に僕、拗ねてないよ!」
「じゃあこの顔は何だ?」
膨れていたルシアンの頬をマキシミンが指でつまむと、
空気が抜けて妙な音を立てた。
口の端を上げてからかうように笑い、もう片方の頬も横に引っ張る。
「ほーら見ろ。ガキがかんしゃくを起こしてるのと一緒だ。
拗ねているんじゃないなら、いじけているのか?」
「ひが……もう!違うってば。マキシミンが変なこと言うからだよ。」
両頬をつまむマキシミンの手をがっちりと自分の手で握りこんではずし、
顔の横に添えたままルシアンは訴え始めた。
「でもさ、ボリスって元から仲間に助けを求めない方だったけど、
記憶無くなったらよけいに壁がずどーんってできちゃってさ!
僕の言ってることを聞いてるのかよくわからないし、口もろくにきかないし、
今だって閉め出されたし!
―――あれ?やっぱり僕怒ってるのかな?」
「……ど阿呆。」
自分の感情すら他人から言われないとわからないのかと呆れながら
マキシミンは掴まれた両手を引き抜いた。その勢いにつられて付いて来た
ルシアンの頭を片手で押さえて一定の距離を保つ。
「っとと。何でそんなに粗っぽいのさ。」
「俺はお前の護衛じゃない。丁重に扱う義理もねぇ。」
「それはそうだけど……。」
前髪ごと押さえているため目は隠れてしまっているが、
への字に曲げた口は見える。
そしてそれが閉じなおされたのも。
「何だよ。なにか不満か?」
「マキシミンにじゃなくてさっきのこと……。
最近はね、ほんとにちょっとだけだけど、
ボリスが僕を頼ってくれることが出てきたんだよ。」
最近もなにも、そもそもマキシミンがこの能天気とその護衛に
会った事自体がごく最近のことだ。
頼っていたかどうかは置いといて、ボリスがこの青年に対し
よくもまぁ気長に付き合えるものだと妙な感心をした覚えがある。
自分だったら、とうの昔に絶縁状を叩きつけているだろう。
「それがまたふりだし――どころか今は嫌われてるみたいでさ、
それがちょっと……。」
「あ?」
「寂しいかなー、なんてね。」
「ごまかすくらいなら最初から言うなうっとうしい。」
先ほどルシアンが飛び出してきた時に見せた表情はこっちの感情かと
マキシミンはルシアンの頭から手を離してポケットに突っ込んだ。
泣いている子供はタチが悪い。
通りすがりの人の足を止め、助けの手を求めるから。
泣くのではなく、言葉を発するこの青年はもっとタチが悪い。
明確に意思を伝える手段を持ち、無意識に訴えるから。
その上、本来慰める立場にいる者が目下のところ使い物にならない。
取り出したタバコに火をつけ、ため息と一緒に煙を吐いた。
無視しておけばいい。
相手は嫌いな部類に入る、金持ちで世間知らずな坊ちゃんだ。
そう思うのになぜか応じてしまう。
だからこいつと関わるのは嫌なんだ。
「それで?」
「……?」
「ちょっと不要扱いされたからって引き下がってきたのか。
だからお前は甘ったれなんだよ。
そんなにあいつに必要として欲しいなら、
もう一回あいつの記憶に叩き込んで来い。」
ぱちりとまばたきをした後、うん?とルシアンは首をかしげて
マキシミンに感想をもらした。
「叩き……ずいぶん乱暴だね。」
「うるせぇ。
それくらい言われなくても勝手にやらかすと思ってたぞ、お前なら。」
「やらかす――って、マキシミンは僕のこと
一体なんだと思ってるんだよ?!」
「天然災厄製造機。おかげでこっちは大損害だ。
とっととお前の護衛がまともに戻ってくれりゃ
俺は苦労しないで済むんだがな。
――同じ記憶ぶっ飛ばしでも、あいつみたいにならなかったのは
不幸中の幸いだけど。」
「あいつって……もしかしてシベリンのこと?」
出会う女性に甘い言葉を投げ
穏やかに微笑み
花なんて差し出したりして――
「…………なんかそれって。
普通に女の子にもてそうじゃない?ボリス。」
「冗談。俺はあんなのは一人でも要らん。」
「――本人がいないからっておまえら……
好き放題言ってくれるじゃないか。」
口元を引きつらせて、後ろから片腕ずつルシアンと
マキシミンの首にまわしてシベリンは絞めた。
「わぁ?!」
「……絞めるな、とっとと離せ。」
「だーまーれ、人で遊んだ罰だ、罰。」
回された腕に両手で楽しそうにしがみつくルシアンと、
眉間にしわを寄せて、ぞんざいに片手で叩くマキシミンを
もう一度軽く絞めるとシベリンは両腕から二人を解放した。
「おかえりシベリン。もうお見舞い終わったの?」
「あぁ、とりあえず今日は様子見に来ただけだしな。
それにあまりナルビクに長居はしない方がいいだろうし。」
「そっか、S&Aに会っちゃうとまずいよね。」
頷くルシアンをシベリンはじっと見た。
どうやらこちらの方は無事に立ち直ったようだ。
これをまた失速させない方がいいと、
シベリンは先ほどのボリスの意見を伏せたままにルシアンに言う。
「あぁ、そうだ。ルシアン。ボリスの部屋に見舞いのリンゴ置いてきた。
ひとりで食うには多いだろうから半分手伝ってやれ。」
「――うん!」
「あ、俺のリンゴ。」
「ケチ臭いことを言うな。じゃあなルシアン。」
ルシアンがもう一度ボリスに働きかける事で、
吉と出るか凶と出るかはわからない。
しかし、ルシアンの前向きさと行動に任せるほかないとシベリンは思った。
「二人ともありがとう!また明日ね!!」
ぶんぶんと勢いよく片手を振り回して、ボリスの部屋の窓を
ルシアンは笑って見上げた。
「さってと。ボリスに再挑戦だ!」
――――――――――――――
背後に薔薇を散らし、効果音がきらきらしてそうなボリスがいたとしたら
即座に視界から外して撤退した後、大笑いすると思います、私の場合は。
PR