置き忘れです。
置いておきます。
拍手ちぱちぱありがとうございますvv
ぱちぱちいただいているのに……
進めたいけど文になりません。困った……
またしても無題。
内容は……ごめん、赤毛の兄ちゃん。
えぴそーど1の野郎共4人でお送りいたします。
Ⅰ
「シベリン、教えてほしいことがあるんだけど」
「……ん?珍しいな」
大抵、ルシアンの何故・何・どうしてにはボリスが回答役を引き受けているのに。
わざわざシベリンのところまで来るとは、あまり無い事だ。
だが、別に答えることに特に抵抗は無いし、
シベリンが笑って頷くとルシアンは両手を挙げて喜んだ。
相手がルシアンではそんなに複雑な事は聞かれない、
と言うよりも聞いてきた雰囲気からして深刻さなど微塵も無い。
おそらく大した内容ではないのだろう。
「何だ、教えて欲しい事って」
「あのね、ナンパの仕方!」
「……あー」
確かに、この手の質問はボリスにしても無理だろう。
寡黙かつ生真面目な性格をしている彼にしたところで
返事は返ってこないだろうし、むしろ質問したら面倒な事になりそうだ。
「それはボリスじゃ無理だろうなぁ」
「うん、たぶん」
「たぶん?」
「だってボリスって女の子を口説いたりしてるわけじゃないもん。
女の子の方がボリスの噂してるって言うか……」
女の子に口説かれてたりして、と続けると
シベリンがルシアンの肩に手を置いて俯きがちに力なく笑った。
「どうしたの?」
「いや、ちょっと傷心……」
「ふーん、大丈夫?」
「………おぉ」
Ⅱ
「――で、何で俺まで巻き込んでやがる」
「いや、軽く教えてみたけど。
どんな子だって聞いたら、年上でマグノリアワインの踊り子とか言っててな。
ルシアンは世間知らずだろうし、一応相手も見ておこうかと……」
「一人で来いよ」
「男一人で飲む酒ほどつまらないものは無いだろうが」
「野郎が二人でもつまらないと思うがな」
「奢ってんだから大人しく付き合え」
「奢りじゃなきゃ来ねぇよ」
マグノリアの2Fのテーブルからは、下のフロアがよく見渡せる。
マキシミンがジョッキを片手に椅子を傾けて手すりから下を見下ろすと
見覚えのある人物が二人見えた。
「来てるぞ」
あごをしゃくって階下を示すと、それにならってシベリンが身を乗り出して覗き込んだ。
「どこに?」
「奥のステージの手前にお前の弟子、入り口に近いカウンターに保護者もいるな」
それだけ言うと、マキシミンは傾けていた椅子を元に戻して座りなおした。
テーブルの上のボトルの中身をジョッキに注ぎきって、追加注文をする。
どうせいくら飲んでもシベリンの奢りだ。
だったらたらふく飲むに限る。
「あぁ本当だ。結局ボリスにバレたのか、ルシアンの奴」
視線に気がついたのか、ふとボリスが2階を見上げた。
シベリンがひらひらと手を振り、『上がってこないか?』と親指を立てて合図を送ったが
ボリスは何事も無かったようにバーテンダーを呼ぶと注文をした。
「残念。ルシアンの恋人をツマミに一緒に酒でも飲もうかと思ったのに」
シベリンが肩をすくめてテーブルに向きなおると、
マキシミンはつまみを口に放り込んでぼそりと一言告げた。
「……のんきだな、お前は」
「いいじゃないか。相手の子もなかなか可愛い子だったし
ルシアンも大人になったってことで祝い酒にしようぜ」
上機嫌でカラになったジョッキに酒を注ぐシベリンをよそに、
マキシミンはもう一度下のフロアを覗いた。
踊り子の耳元に囁くように話すルシアンを頭のてっぺんからつま先までざっと見る。
服装はいつもの『いかにも冒険者』といった風情ではなく、
少しいい所育ちの青年といったこざっぱりとした物で、手には青いバラの花束。
肩にひっかけて背中にまわしている筒状の入れ物が酒場には不似合いだが、
普段持ち歩いている剣が見当たらないところを見ると、おそらくは……
「何だ、結構いい雰囲気じゃないか」
「――ふん」
「お?どーしたどーしたマキシミン。ルシアンが羨ましくなったかぁ?」
「黙れ酔っ払い」
Ⅲ
「……違う?」
「えぇ、誤解しているのではないかと思いましたので。
昨日の例の女性ですが、最近、変な人物に付き纏われているから
護衛をして欲しいとアクシピターに依頼をされた方なのです。
昨晩の内に問題も解決しましたので、あなたに事情を伝えに……」
「そうなのか、てっきりルシアンにも春が来たんだとばかり」
「いいえ。……ルシアンがご迷惑をおかけしたみたいで」
「いや、別に少しも迷惑なんか」
「そうですか」
今日あたり祝ってやろうと思ってたんだがと苦笑いをするシベリンに合わせる様にボリスも笑う。
そうでしたか、と確認するように小さく呟くと、ボリスを纏う空気の温度が少し下がった。
「ルシアンにつまらない事を吹き込んだのも、やはりあなたですね?」
「―――は」
◇
「あれ、取り込み中かな?」
ひょっこりと顔を出したルシアンはマキシミンの横に立つと
腕に持った紙袋を抱えなおした。
片方は殺伐とし、もう片方は顔面を引きつらせて向かい合っている二人の人物を
『なんだろう?』といった風情で首をかしげて眺めている。
完全に傍観者を決め込んだマキシミンは、抑制力になるか増幅剤になるか分からない
4人目の乱入者を投下しないことにして口を開いた。
「……まぁ、話しかけるんならもう少し後のほうがいいんじゃねぇか」
「そう?」
「それより、何を持ってんだ」
「あのね、踊り子のお姉さんのところに、もう困った事ないかなって今さっき寄って来たんだ。
そしたらね、昨日のお礼ってくれたんだよ。
報酬はもう貰ってるからいいって言ったんだけど……」
「中身は?」
「ベリータルト!たくさん貰ったからマキシミンも一個食べる?」
「食う」
Ⅳ
「てか、踊り子の護衛って言うなら別に口説かなくても良かったんじゃないのか」
「でもずっとお姉さんに貼りついてる訳に行かないでしょ。
報酬だって長引くほど増えちゃうだろうし。
それに護衛してる間は寄ってこなくても、止めたら途端に元通りってことも考えられるし」
指に付いたクリームを舐め取って、ルシアンはもう片方の手の指を1・2・3と折っていく。
「護衛っぽくない奴がお姉さんに言い寄ってたら、犯人が出てくるかなぁって」
「それなら子供子供したお前がやるよりボリスの方がまだ……」
「うーん――それも面白かったかも。
あー、でもお姉さんがホントにボリスに惚れちゃったら困るしさ」
「無い無い」
「って、マキシミン酷くない?
子供っぽく見えないように僕シベリンに教えてもらったし、ボリスを真似てがんばったのに」
「……何で護衛まで取り入れたんだ?」
「んーと……シベリンには内緒ね。
シベリンってお姉さんとか口説いてるけど、恋人にはなってないでしょ?
だからボリスの無口っぽいところを混ぜたら上手くいくんじゃないかって思ったんだ」
「……別に恋人になるためだけに女を口説くんじゃないぞ」
「そうなの?
あれ?でもそしたらシベリンは女の人を何でナンパしてるんだろ」
「………………あっちが終わったらお前の護衛にでも聞くんだな」
「うん。
シベリン頑張ってるね。あれって魔法を避ける練習?」
「当たりゃ痛いんだから避けるしかないだろ―――お?」
「あ」
―――――――
ナンパの理由はお察しください。
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